前回グラモフォンの音を扱ったので、今回はレコードの歴史を通じてDust to DigitalのBlack Mirrorを紹介したいと思います。

Various Artists “Black Mirror:Reflections in Global Musics”
(Dust to Digital,DTD-10, 2007, CD)
1. Kamanagah – Naim Karakand 2. Phleeng Khuk Phaat, Part 2 – Thewaprasit Ensemble 3. ‘Kebyar Ding, I – Gong Belaloewana 4. ‘Mallorca’ – Pipe Major Forsyth 5. ‘Manasa Sri Ramachandra’ – Thiruvazhimilalai Subramanian Bros. & Needamangalam Meenakshisundaram Pillai 6. ‘Ngo Mebou Melane’ – Paul Pendja Ensemble 7. ‘Cyganske Vesilia, Part 4′ – Cyganska Orchestra Stefana 8. ‘Mother’s Uproar’ – Zhehongyi 9. ‘Drowsy Maggie’ – Patrick J. Touhey 10. ‘Welsisni Melodyi’ – Hutzl Ukrainian Ensemble 11. ‘Soyledi Yok Yok’ – Neriman Altindag 12. ‘Aayega Aanewaala’ – Lata Mangeshkar 13. ‘Nam Nhi-tu’ – M. Nguyen Van Minh-Con 14. ‘Handel’s Chaconne, Teil I’ – Edwin Fischer 15. ‘Smyrneiko Minore’ – Marika Papagika 16. ‘Narodne Saljive Pjesme’ – Petar Perunovic-Perun 17. ‘Tjimploengan’ – Nji R. Hadji Djoeaehn 18. ‘Envidia Yo No Tengo a Nadie’ – Nino De Priego 19. ‘Fado de Passarinhos’ – Prof. Lucas Junot 20. ‘Nakhone Prayer’ – Sathoukhru Lukkhamkeow 21. ‘Baklandets Vackra Maja’ – Christer Falkenstorm 22. ‘Djanger’ – Representatives Of the Democratic Youth Of Indonesia 23. ‘Songs In Grief’ – Sinkou Son & Kouran Kin 24. ‘Yein Pwe’ – Burmese Musicians

レコードが音声をどうやって再生しているかというと、レコードプレーヤの針が、レコードの溝によって振動することで、その振動を電気信号に変換し音声として再生するという仕組みをとっています。このレコードを発明したのはご存知のエジソンでしたが、このエジソンが開発したレコードは、振動を縦振れで刻む方式をとっていました。しかし、横振れでもレコードには振動を刻むことが出来た。レコードを量産化する上で、量産化しやすいのは横振れでした。

そこで、縦振れと横振れのレコードで生産する会社が分かれました。結果は横振れの勝ちで、いまとなっては横振れのレコードしか市場には存在せず、縦振れのレコードを手に入れることは相当に困難となっている訳ですが、Patheという会社は縦振れでレコードを作り続けました。今回紹介するDust to DigitalのBlack Mirrorでは、そのPatheが1929年に発売した”Le Miroir de La Voix(声の鏡)”というレコードのジャケットをそのまま引用しています。本作も、レコードの失われた技術の歴史と同様、音楽の歴史の過程で失われた形式を扱った作品です。

本作では、1918年から1952年までの世界各地の貴重な音源を収録しています。シリア、日本、ドイツ、ラオス、カメルーンなどの地域です。この戦前録音は、現在のいわゆる”民族音楽”とは違うところがあって大いに面白い。当時としては商業的な目的で録音された音源たちですが、現在の商業的な民族音楽とは全く異なります。それぞれの地域の特色だった音楽が聴ける。タンゴでも現在とボーカルやギターの進行がまったく違います。そういった現在と過去の違いから各地の音楽の歴史を感じさせるアルバムです。

ちなみに、Dust to Digitalはこのような歴史的なアプローチから音楽業界において独特の地位を勝ち取っているレーベルです。現在となっては失われたイメージを扱うことに趣があります。やりすぎだと笑ったものですが、アメリカ南部の音楽を扱ったCDボックスでは綿花が入っていました。

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